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下町ロケット 池井戸潤


下町ロケット下町ロケット
(2010/11/24)
池井戸 潤

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評価:A

 とある中小企業の社長が取引先からの取引停止や大企業から特許関連の訴訟を起こされたのを機に、様々な出来事を乗り越えていく話。殿山さんがイチオシだなあ。熱いハートを持っている。実際の中小企業でも大企業より優れた製品を作っているという例はあるのだろう。上場企業は優良企業とのお墨付きを得るが、中小企業はそんな看板はなく、なかなか信用してもらえないという実情があるのは確かだと思う。そういう企業を支援していくことこそ銀行に求められているんだろうなあ。神谷さんがやってることも中小企業応援の一環。

 作中でロケット開発は社長のエゴでは?という主題が提示されている。安定を求めて、特許を売却してしまうか、さらなる挑戦を求めるか。企業によって体質が違うんだろう。佃社長は「夢」を追いかけてこそこの企業の存在価値があると語っている。結果的にはロケットのバルブ開発に携わって良かったかも知れないが、もちろん失敗した時のリスクはある。しかし、佃社長が開発で行こうと思いきったのは、自社の技術力に自信があったからだろう。自らの強みを理解し、最大限に能力を発揮できるように場を整えていく、素晴らしい判断だと思った。その点をもっと強調すれば、社員の協力もスムーズに得られたのではと思った。うちにしかできない、と。