PNG | Atelier
写真協力
黄色いコントローラーを握っている彼。鬼気迫る良い表情。
関西最強の若きロゼッタ使い。元々関西出身で現在は関東在住の強豪プレイヤー、えつじのスマブラXにおける立ち位置と彼のスマッシュ4におけるそれは、ゲーム中盤から終盤に頭角を現し、年齢も近く、出身地も同じという点で良く似ている。今回はそんな若き俊才を紹介させて頂きます。
こちらの写真はPNG様のページから引用いたしました。
SMASH BROS - Pro esports team Next Generation
目次
戦績
第7回スマバト4U Aクラストーナメント - Smash Record
彼の最初のメジャートーナメントでの大きな戦果が2016年2月のスマバトでの4位入賞である。てぃー、まっちょ、MASA、Akiを倒しての入賞だった。その3週間後の第一回KUSCシングルスではShogun、しゃち、りぜあすを撃破し、優勝を果たす。2016年は精力的に遠征し(ウメブラ3回、ヒロスマ2回、カリスマ1回、SSC)、着々と実力を高めていった。2017年は安定感がさらに増し、メジャートーナメントでベスト8の順位を三度獲得。倒した主要なプレイヤーは、つー、9B、ましゃ、くわ、シグマ、マンガリッツァ♀。そして迎えた2018年3月のウメブラ31でKEN、Abadango、Kameme、Tを撃破し、堂々の、そして悲願の大規模トーナメント初優勝。幾度も歯がゆい思いをしながらも、スマブラにひたすらに打ち込んできた努力が遂に結実した。ちなみに遠征して優勝したのは、関西勢だとらないさんしかいない。他はあーす、ikep、Nairo(2度)、MkLeo。
回避狩りが目立つが、スピンを弱で止めるといった基本的なソニック対策まで詰め込まれており、一回一回の接近戦の攻防や着地の読み合いから目が離せない。スマブラの粋ともいえる1戦。KENソニックとの速い展開の中でも自分の強みを出し切っていて素晴らしい。
【報告】この度私Towaは、株式会社PACkageが運営するプロゲーミングチームPNGに所属し、スマブラWiiUのプロゲーマーとして活動させていただくことになりました!
— PNG | Atelier / あとりえ (@AtelieRsb_) May 25, 2018
I was sponsored by PNG and became a pro gamer ! https://t.co/DqlP2IWAa6
今年の5月、PNGに加入する。これ以来の戦績も
ウメブラ:ベスト8 2回
スマバト:ベスト16 ベスト12 ベスト8 ベスト6(スマバトFinal) 3位(第26回)
と彼は満足はしていないだろうが、申し分ない戦績。今後もさらなる活躍が期待される。
ライバル
HIKARU(@HIKARU_geki)
同世代で同じく関西の最上位HIKARU。HIKARUもまたスマブラチーム「激」に所属し、プロゲーマーとして活動している。Smashrecordで確認できるだけで22回当たっており、通算戦績は12勝10敗。スマバトウメブラに限定すると、4勝5敗。直近3試合はHIKARUが勝利している。また、今年のお盆に行われたスマバト3on3ではHIKARU、まさしと組んで優勝している。仲が良い中で切磋琢磨しており、素晴らしい関係である。今後も二人は関西の中心になって活躍していってほしい。
スマバト WiiU FINAL LQF PNG|Atelier vs HIKARU|Geki/ SUMABATO WiiU FINAL - YouTube
スマバトFinalでの試合である。お互いに死力を尽くしている。名勝負だが、一番注目してほしいのは対戦後のAtelier。クールな彼が自分からハグを求めたのは初めてだと思う。
Shogun(@Shogun_Snake)
彼が関西にいた時から、Atelierは猛烈なShogunファンで、Shogunが関東に戻った暁には、自分が彼のFoxを継承すると語っていたこともある。事実Sumabato x CYCLOPSでHIKARU相手に紫色のフォックスを選出していることもあった。
通算戦績は4勝4敗。スマバトのみに限定すると、2勝3敗。
対戦数自体は特筆して多くはないのだが、お互いがお互いを強く意識しているので、紹介させて頂いた。ロゼッタフォックスのカードでは、世界で一番見ごたえがある。
第23回スマバト4U LQF Shogun(Fox) vs Towa(Rosalina&Luma) /Sumabato23 - YouTube
えつじ(yk_Etsuji)
冒頭でも触れたが、現関東在住のスマブラプレイヤー。Atelierは彼の影響でこの界隈に入ったそう。ライバルというか初めは憧れの存在だったが、実力をつけてくるに従い、彼が視界に入ってきた。その頃にはスマブラXでエッジが使用していた「キング」というキーコンで大会に出るように。二人が初めて大会で当たったのは、2017年のKSB。この時はえつじの勝利。再び相見えたのは、その年の冬のサイクロプス。勝者側決勝とGrandfinal、共にAtelierが勝利した。これがトーナメントでは二人の最後の対戦となっている。
今年9月2日のカリスマ早稲田式2on2では、二人で組み優勝。
カリスマ21早稲田式2on2 エッジくん(@yk_Etsuji)と組ませてもらって優勝しました!
— PNG | Atelier / あとりえ (@AtelieRsb_) September 2, 2018
エッジくんの影響でこの界隈に入ったので、このゲーム終わる前に2人で組んで優勝できて良かったです└(^ω^ )┐♫ ありがとうございました!
普段は顔文字など使わない彼がノリノリのツイート。
今後も彼らの最高峰の対戦が見られればと思うばかり。
世界最強の若きパックマン使い。他の誰も真似できないようなトリッキーな立ち回りと的確なEdgeguard、反撃確定をきっちり取るところが特徴的。Atelier選手とは同世代。今年の二人の対戦成績はなんと6勝1敗でてぃーパックマンが圧倒している。Atelier選手は最後の対戦ではサブのベヨネッタを選出している。彼にとっては、鬼門の存在になっており、今後の対策に注目したい。後のインタビューにて勝者側でパックマンに負けて、という経験談が出てきたが、かなり意識していると思われる。
プレイスタイル
基本に忠実。反撃確定は逃さないし、着地狩りも上手い。上位プレイヤーに共通している、撃墜の読み合いを逃さない力ももちろん持ち合わせている。具体的にはチコの弱々空上、ロゼッタの空中前追撃、ロゼッタ単の上スマッシュなど。
また、ロゼッタという防御面が非常に重要なキャラクター*1を使い込んできたので、崖上がりや着地がトップクラスに上手い。対クラウドにおける圧倒的な勝率*2からも、このことは窺い知れるのではないか。
人柄
好青年。オフに来始めたころは、周囲にそれほど積極的な発信をすることはなかったが、最近では京大講習会での崖上がりに関する講義をしていた。これは以前の彼からはなかなか想像できないことである。またトーナメントの場でも、凄く良い笑顔をするようになった。前述のHIKARUとの試合でも見て取れる。
一問一答
インタビューを申し込んだら快諾して頂けたので、以下彼との一問一答を掲載して、結びとさせて頂きます。
Q.ロゼッタを使い続けている理由、魅力を教えてください。
一番の魅力はガードさせて有利な弱です。弱を振っているだけのキャラと思ったこともありましたが、弱に対しての相手の行動を考え(回避狩りなど)、読み合いを深く理解していくにつれ、弱が最も面白い技だと感じるようになりました。初めの頃は着地狩りが面白いキャラだと感じていました。
Q.2番目に面白いと思う技はなんですか?
差し合いにおける上スマッシュです。シークやゼロサムの飛びに合わせる、格ゲーの対空みたいな上スマが打てた時は凄く楽しいです。
Q.強くなるために意識していることは何ですか?
読み合いを仕掛けるとき、例えば、チコの弱をガードさせた時、1回目相手がやってきた行動を2回目にはしっかり咎めることを意識しています。自分の行動に対して、相手がどう動くかを見ています。ちょこさんの相手のイメージを上書きしていくという方法論とよく似ていると思います。
Q.一番嬉しかった瞬間はいつですか?
ウメブラ優勝ですね。DNG | Kamemeを倒して勢いに乗っていたので、KENさんもそのまま倒すことが出来ました。
試合で嬉しい瞬間は、自分が試合を支配しているときですね。崖で相手を詰ませている時とか。
Q.逆に楽しくないときはいつですか?
着地狩りされている場面や崖上がりの時は、全然面白くないですね。
Q.着地狩り・崖上がりはどうやって切り抜けようとしていますか?
着地狩りはとにかく暴れることを意識しています。例えば、試合序盤に暴れて相手に印象付けて、後半は回避を通したり。読み合いにするのが大事ですね。
崖上がりは京大の講習会でも言ったんですけど、甘え行動であるその場上がり、攻撃上がり、回避上がりをしないようにしています。特にその場上がり。ジャンプ上がりと崖離しジャンプ回避を使っています。崖離し空中前攻撃での暴れを見せてここでも読み合いにしていくのが大切です。
Q.トーナメントでの敗北の後、気持ちの切り替えはどうやって行っていますか?
勝者側で負けた後は、一旦その敗北を忘れてしまって、敗者側の試合に気持ちを全力で向けるようにしています。例えば勝者側でパックマンに負けたとします。そこでパックマン対策を考えるのではなく、次の試合に集中します。負けた試合の反省は大会後に動画等見て行ったら良いので。
Q.一番印象に残っている試合は?
Umebura33のAbadango戦ですね。この試合ではギャラリーの注目度も非常に高かったこともあるんですが、なにより最後にロゼッタの上スマッシュを当てた時に撃墜したと思って、”Early Pop off”してしまうんです。その後やられてしまって、"逆Pop off"してしまいます。このことが僕の中に凄く印象的に残っていたので、挙げさせてもらいました。
(残念ながらPop offは映っていないですが、逆Pop offはしっかり映っています。是非ご確認ください)
Q.プロになってからスマブラへの取り組み方は変わりましたか?
変わりました。ウメハラ、ときど、ふ~どの対戦動画ではなく、取り組み方の動画(獣道)を見て、向き合い方を日々考えています。
プロになる前はどんな時も、気が向かない時であっても、ひたすらスマブラをプレイしていました。悪い言い方をすると惰性でやっていた部分もあります。プロになってからはやる気がなくなったら、一旦離れるようにしています。そうすると、またモチベーションが出てくるんですよね。俯瞰できるというか。
Q.京都窓でのしゃちとの5先について
この話はしゃちくんから誘いがあって受けました。しゃちくんがスマバトFinalもウメブラFinalも予定があって、行けないのでスマッシュ4をどこかで一区切りつけたいと。そこで、同世代で一緒に頑張ってきたAtelierHIKARUどちらかとどこかで勝負したいなと思っていたところに、京都窓の企画があったので参加志願させて頂いたという次第です。
Q.他に何か言っておきたいことはありますか?
Frostbite2019のCrewBattle、本気で狙ってます。
最後に新作への熱すぎる意気込みも頂いて、非常に実のあるインタビューになった。Atelier選手には心から感謝申し上げます。